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本日は、日頃より大変お世話になっております 株式会社大林組 東京本店 キヤノン総合工事事務所 所長 高橋 元 様に ご臨席賜り、後ほど安全講和を頂戴しますこと、厚く御礼申し上げます。
2020年より続いている新型コロナウイルスへの対応は、新生活様式の導入などにより変化の兆しは感じられるものの、収束と呼べる状況には至っておりません。昨年度までは、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、やむなく開催を見合わせておりました。本年は3年ぶりに、感染予防策を講じた上で、労働災害防止安全大会を開催することができました。皆様のご理解、ご協力に感謝いたします。
全国安全週間は、昭和3年に初めて実施されて以来、「人命尊重」という崇高な基本理念の下、一度も中断することなく続けられ、本年で95回目を迎えます。この取組は、我が国における労働災害防止活動の推進に欠かせないものであり、労働者の安全意識の高揚及び安全活動の定着に貢献して参りました。
令和3年の建設業における労働災害による死亡者数は288人と、過去最少となった前年よりも30人の増加、また、休業4日以上の死傷災害も16,079人と、こちらも過去最少となった前年に比べて1,102人の増加となっています。これは、新型コロナウイルス感染症罹患による労働災害を除いた数字でも増加しているところであり、特に墜落・転落災害は前年より増加しています。
建設業は、地震等の大規模災害からの復旧・復興、激甚化する自然災害などへの備え、国土強靭化に向けたインフラ整備など、安心・安全な暮らしを守るという重要な役割を果たさなければなりません。一方で、技術者・技能労働者の不足、建設労働者の高齢化の進展、外国人労働者の増加等のさまざまな現場対応、長時間労働やメンタルヘルス不調による健康リスクの増大、さらには増加傾向にある熱中症など、建設業が抱えている課題についても引き続き対応する必要があります。
このような建設業を取り巻く状況を踏まえ、建設業で最も多い墜落・転落災害撲滅に向けた取組をはじめ、建設業労働安全衛生マネジメントシステムの積極的な導入、建設現場におけるメンタルヘルス対策とこれに基づく職場環境改善「新ヒヤリハット報告」を活用した安全衛生活動、職長・安全衛生責任者能力向上教育や外国人労働者などへの安全衛生教育の充実等を強く推進することとしております。関係者が一丸となって現場での自主的な安全管理活動を一層推進し、安全な職場環境の形成をお願いします。
令和4年度全国安全週間は7月1日から7日までを本週間とし、以下のスローガンの下で取り組みます。
安全は 「急がず」「焦らず」「怠らず」
なお、令和4年度(2022/4/1〜2023/3/31)株式会社大林組 安全衛生スローガンは
皆様ご承知の通り、
危ないよ 言える強さと 聞く気持ち 心ひとつに 無災害
を全力で遂行し死亡災害=0はもとより、災害ゼロを目指して日々安全に取り組んでいきます。
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令和4年度A.BMミツガシ安全衛生対策要項
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- 1.経営トップ等による現場安全点検の実施
- ・安全衛生管理体制及び安全衛生教育等の実施状況の確認
- ・労働安全衛生関係法令及び社内の安全衛生規定等の遵守状況について安全パトロール等による職場の総点検の実施
- ・経営トップ等による安全訓示等を通じた関係者の意思の統一及び安全意識の高揚
- ・新型コロナウイルス感染防止対策の実施状況の確認
- 2.リスクアセスメントの確実な実施
- ・設計・計画段階における、リスクアセスメントの実施と、その結果に基づくリスク低減措置の実施状況の確認
- ・SDS(安全データシート)等により把握した危険有害情報に基づく、化学物質のリスクアセスメント及びその結果に基づくリスク低減措置の実践(「ラベルでアクション」の取組の推進)
- 3.コスモスの導入と実施の推奨
- ・国際基準に対応した「ニューコスモス」の導入と実施によるPDCAサイクルの確立
- ・中小規模建築事業場向けの「コンパクトコスモス」の導入と実施によるPDCAサイクルの確立
- 4.墜落・転落災害の防止
- ・作業床、手すり、ネット等の設置による墜落防止用設備、開口部養生設備、安全帯取付設備を確実に設置する。特に作業床の端部、開口部からの墜落防止措置を徹底する
- ・安全設備の点検により不備を発見した場合は、ただちに是正する。是正が完了するまでは、当該危険箇所での作業は一旦中止させる。なお、開口箇所の点検は日々の点検以外に、定期的に一斉点検を実施する
- ・開口部や作業床の端には、手すり・中さん等の設置及び注意喚起の表示等、「見える化」の推進
- ・新構造規格のフルハーネス型及び胴ベルト型安全帯の選定・使用前点検の実施と確実な使用、特別教育の受講
- ・職長は現場巡視時に作業員の安全帯使用状況を確認し、安全帯の不使用者を発見したら、必ずその場で指導し、使用を徹底する
- ・安全帯の掛け替えが必要な作業では、二丁掛安全帯の使用を徹底する
- ・フルハーネス型安全帯の使用を必要とする作業では、その使用を徹底する
- ・可搬式作業台を適正に使用する
- ・作業前には、必ず「一人ATKY」を行い、墜落、転落防止対策を実施する
- 5.建設機械・クレーン等の災害の防止
- ・作業条件に応じた適切な機械の選定等のリスク低減措置を盛り込んだ施工計画及び作業計画・作業手順の作成と実施の徹底
- ・車両系建設機械・クレーン等の転倒及び転落災害防止対策の徹底
- ・作業範囲内の立入禁止措置や作業指揮者・誘導者の配置等、はさまれ・巻き込まれ災害防止対策の徹底
- ・「玉掛スリーポイント(張りヨシ!退避ヨシ!地切ヨシ!)」を確実に実施する
- ・玉掛作業責任者、合図者それぞれの役割を明確に定めて作業を行う
- ・荷のつり上げ作業時における荷姿や玉掛状況の確認及びつり荷の下への立入禁止措置の徹底
- ・法定有資格者による、車両系建設機械・玉掛・玉はずし作業の徹底
- ・電動工具等工具類の特性、正しい取り扱い方法を理解して使用する
- ・日常点検を含む法定点検を確実に行う
- 6.転倒災害の防止
- ・「STOP!転倒災害プロジェクト」の推進
- ・作業通路の段差や凸凹、突起物、継ぎ目等の解消
- ・転倒危険箇所の表示等、危険の「見える化」の実施
- ・4S活動(整理・整頓・清掃・清潔)等の徹底による作業床や通路等の安全確保並びに照度の確保
- ・転倒災害防止のためのチェックリストを活用した安全点検の実施
- 7.交通労働災害の防止
- ・適正な労働時間管理、長時間運転の回避
- ・運転者の定期健康診断の実施状況及び運転前の健康状態の把握
- ・アルコールチェッカーを用いた飲酒運転の根絶
- ・運転中のカーナビや携帯電話の操作等のながら運転の厳禁
- ・睡眠時間の確保の重要性についてなどの交通安全教育の実施
- 8.不安全行動による災害の防止
- ・危険軽視の行動を見逃さない職場風土づくりの推進
- ・「危険予知行動」「新ヒヤリハット活動」「ひと声かけあい運動」等の安全衛生活動の促進
- ・「近道・省略行為」等のルール違反行為の禁止
- 9.安全衛生教育の実施
- ・「新規入場者教育」「送り出し教育」等の安全衛生教育の実施
- ・建設従業者に対する危険体感教育(安全帯ぶら下がり、はさまれ等)の実施
- ・危険有害業務従事者に対する特別教育(フルハーネス型安全帯使用作業や足場の組立て等)や特別教育に準じた教育の確実な実施
- ・職長・安全衛生責任者、作業主任者、危険有害業務技能講習終了者に対する能力向上教育の実施
- ・外国人労働者にも配慮した安全衛生教育の実施
- ・対話型パトロールの実施により本人の気づきを想起させ、自主的な安全管理能力を高める
- 10.職業性疾病の防止
- ・建築物等の解体・改修工事における石綿暴露防止の確実な実施
- ・金属等の研磨作業、はつり・解体作業等に係わる粉塵障害防止対策の徹底
- ・酸素欠乏症や一酸化炭素中毒等の防止対策の徹底
- ・腰痛及び振動障害の予防対策の徹底
- ・各種保護具の使用前点検の実施及び作業環境に応じた適切な使用の徹底
- 11.熱中症の予防
- ・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の推進
- ・WBGT値(暑さ指数)の把握とそれに基づく適正な作業環境管理
- ・熱中症リスクの高い作業員の把握と職場巡視等の実施、熱中症予防のための教育及び健康KYの実施
- ・作業者の作業前後及び作業中の体調確認の実施と、休憩場所及び休憩時間の確保並びに十分な水分・塩分などの積極的な摂取の勧奨
- ・異常時の速やかな病院への搬送や救急隊要請の徹底
- 12.火災事故の防止
- ・溶接・溶断作業、サンダー・高速カッターといった火花を放つ工具類の使用など火気使用作業における周囲および下部の可燃物除去と養生
- ・ウレタンフォームなどのプラスチック系断熱材による火災防止の徹底(ウレタン等吹付工事の施工前に火気を使用する工事は終了させていること)
- ・火気使用時の監視人の適正な配置、監視人による火花等飛散状況の確認
- 13.第三者災害の防止
- ・場外への飛来落下災害の防止
- ・現場出入口付近でのつまずき転倒及び工事車両との接触災害の防止
- ・通勤等移動時の交通事故の防止
- 14.健康管理の推進
- ・「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」に基づく加齢による身体的機能の低下によるリスク等を考慮した措置の推進
- ・新型コロナウイルス感染拡大防止のための「密」を避け、作業開始前の作業者の発熱等健康状態の確認及び手洗いの励行
- ・事業主による適正な労働時間の把握と、過重労働(時間外、休日労働等)による健康障害防止対策の推進
- 15.現場におけるメンタルヘルス対策の推進
- ・安全施工サイクル(安全朝礼、KYミーティング及び巡視等)を活用した、建災防方式健康KYによる心身の健康状態の把握と、無記名ストレスチェックに基づいた職場環境改善の実施
- ・ストレスチェックの結果に基づく事業者が講ずるべき適切な措置の実施
当社としましては、全国安全週間の本週間中に経営者をはじめ関係者が取り組むべき事項をまとめた「全国安全週間実施要領」及び「株式会社大林組 安全衛生対策要項2022」に基づき実施計画令和4年度A.BMミツガシ安全衛生対策要項を策定し、トップの強力なリーダーシップの下に、関係者が一体となって、労働災害の防止に万全を期する所存です。
各位におかれましては、本実施要項を参考に、各社の実情に即した実施計画を策定し、皆様で力を合わせて実施するように要請をお願いします。また、新型コロナウイルス感染拡大防止に努め、その状況に注視し、全ての協力会社の皆様が安全で安心できる環境を常に確保し、万全の工事施工をお願いいたします。
作業員のひとり一人が現場の安全を担うのは自分自身であることを自覚し、まずは安全の基本である「自分の身は自分で守る」、「自分は共に働く職場の仲間の身も守る」、「自分達の職場からは休業災害はもちろんのこと、小さな災害も出さない」と強い信念を持ち安全作業、安全管理に向きあうことを日々実践してください。
本年度も変わらず安全意識の高揚および効果的な安全衛生管理にご協力頂けますことに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
来年も、本年のように多くの協力会社及びメーカー各社の皆様をお招きして開催出来るように努力して参ります。
終わりに『安全』と言う言葉に気持ちを油断させること無く、日々のあらゆる『危険』を排除して『危険』のない現場を目指し、同じ注意事項を何度でも繰り返し教育し、皆様ひとり一人のお力を借りて本年度は、また心も新たに『災害0の達成』をお願い致します。
それではまた来年、第16回労働災害防止安全大会でお会いするまで「ご安全に〜!」
令和4年6月25日
株式会社A.BMミツガシ
代表取締役 秋山 浩文