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本日は、日頃より大変お世話になっております 株式会社大林組 東京本店 キヤノン総合工事事務所 所長 高橋 元様 並びに越谷市消防局 蒲生分署 第二中隊 第一救急隊長 岡田 達也様にご臨席賜り、後ほど講和を頂戴しますこと、厚く御礼申し上げます。
全国安全週間は、昭和3年に初めて実施されて以来、「人命尊重」という基本理念の下、一度も中断することなく続けられ、本年で97回目を迎えます。この取り組みは、我が国における労働災害防止活動の推進に欠かせないものであり、労働者の安全意識の高揚及び安全活動の定着に貢献して参りました。
令和5年の建設業における労働災害による死亡者数は212人と、建設業労働災害防止協会が設立された60年前と比べると約1/10と大幅に減少してはおりますが、依然として全産業の約3割を占めております。
また近年、建設業は、働き方改革の推進、建設従事者の高齢化の進展、担い手の確保・育成など、様々な問題が山積する状況にあります。一方、台風に伴う洪水・土砂災害や本年元日に発生した令和6年能登半島地震など多くの自然災害が発生し、建設業は復旧・復興の最前線で道路啓開やインフラ整備の作業にあたるなど、地域社会の安全・安心の確保を支える「地域の守り手」として、社会に欠かすことができない存在となっています。
これらの状況を踏まえると建設業における安全な職場環境の形成は益々重要なものとなっています。本年は、建設業労働災害防止協会が策定した第9次建設業労働災害防止5か年計画の2年目にあたります。同計画に掲げた目標の達成を目指し、建設業に携わる方々が安全で安心して働けるよう、各種事業を積極的に取り組んで参りますので、関係各位のご協力をお願い申し上げます。各位におかれましては、令和6年度の全国安全週間の準備期間及び本週間において取り組むべき事項をまとめた本実施要項を参考に、経営トップの強力なリーダーシップの下、関係者が一丸となって現場での自主的な安全衛生活動をより一層推進していただけますようお願いいたします。
令和6年度全国安全週間は7月1日から7日までを本週間とし、以下のスローガンの下で取り組みます。
危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全
なお、令和6年度(2024/4/1〜2025/3/31)株式会社大林組 安全衛生スローガンは皆様ご承知の通り、
安全は 頼らず任せず 油断せず 声を掛け合い 無災害
を全力で遂行し死亡災害=0はもとより、災害ゼロを目指して日々安全に取り組んでいきます。
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令和6年度A.BMミツガシ安全衛生対策要項
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- 1.経営トップ等による現場安全点検の実施
- ・安全衛生管理体制及び安全衛生教育等の実施状況の確認
- ・労働安全衛生関係法令及び社内の安全衛生規定等の遵守状況について安全パトロール等による職場の総点検の実施
- ・経営トップ等による安全訓示等を通じた関係者の意思の統一及び安全意識の高揚
- ・ホームページ等を通じた自社の安全活動等の社会への発信
- 2.リスクアセスメントの確実な実施
- ・設計段階や計画段階におけるリスクアセスメントの実施と、その結果に基づくリスク低減措置の実施状況の確認
- ・リスクアセスメント実施に必要な機械等の仕様書、災害事例等の情報を入手し、その結果を作業計画・作業手順、安全工程打合せに反映し、その実施を確認
- 3.コスモスの導入と実施の推奨
- ・コスモスガイドラインに基づいたシステムの導入と実施によるPDCAサイクルの確立
- ・関係労働者に対するシステムの理解促進のための、コスモスガイドラインの教育等の実施
- ・内部監査の実施と改善
- 4.墜落・転落災害の防止
- ・設計段階や計画段階等において、高所作業が不要となる工法の採用等危険有害要因の低減、手すりの設置等設備面の工学的対策、現場ルールの設定・遵守等管理的対策、保護具による対策を順次検討し、フェールセーフ思想に基づき重層的に実施
- ・高所作業における作業床・手すり等の設置、その設置が困難な場合の防網(安全ネット等)や安全帯取付設備の徹底
- ・使用状況に合わせた適切な安全帯の選定・使用前点検の実施・確実な使用、併せて、フックの掛け替え時には二丁掛安全帯の使用
- ・作業主任者、作業指揮者による安全帯の使用状況監視
- フルハーネス型安全帯を使用する場合には特別教育の受講
- ・開口部や作業床の端には、手すり・中さん等の設置及び注意喚起の表示等、「見える化」の推進
- ※フェールセーフ…人が装置や設備のトラブルによって人命リスクを負わないように配慮する設計方法のこと
- 5.建設機械・クレーン等の災害の防止
- ・作業条件に応じた適切な機械の選定等のリスク低減措置を盛り込んだ施工計画及び作業計画・作業手順の作成と実施の徹底
- ・適正な重機作業計画等による、車両系建設機械等の転倒及び転落災害防止対策の徹底
- ・作業範囲内の立入禁止措置や作業指揮者・誘導者の配置等、はさまれ・巻き込まれ災害防止対策の徹底
- ・運転席でのシートベルトの完全着用
- ・荷のつり上げ作業時における荷姿や玉掛け状況の確認及びつり荷の下への立入禁止措置の徹底
- ・法定有資格者による、車両系建設機械等の運転及び玉掛け・玉はずし作業の徹底
- ・玉掛け作業の際には、「3・3・3運動」の実施(30cm地切り、3秒以上停止・荷姿確認、3m荷から離れる)
- ・定期自主検査及び作業開始前点検実施の徹底
- 6.転倒災害の防止
- ・作業通路の段差等の解消、通路等のすべり止め等の措置
- ・転倒危険箇所の表示等、危険の「見える化」の実施
- ・4S活動(整理・整頓・清掃・清潔)等の徹底による作業床や通路等の安全確保並びに照度の確保
- ・転倒災害防止チェックリストを活用した安全点検の実施
- ・高年齢労働者の安全と健康確保ガイドラインに基づく職場環境改善の推進
- 7.交通労働災害の防止
- ・適正な労働時間管理、長時間運転の禁止、交通ハザードマップ等を活用した最適な運行計画の作成等による運行管理の実施
- ・疲労、疾病、睡眠、体調不調の有無等を確認する乗務開始前点呼の実施
- ・運転中のカーナビや携帯電話操作等のながら運転の厳禁
- ・睡眠時間確保の重要性についての交通安全教育の実施
- 8.不安全行動による災害の防止
- ・危険軽視の行動を「黙認しない、見逃さない、妥協しない」職場風土づくりの推進
- ・「危険予知活動」「ヒヤリハット活動」「ひと声かけあい運動」等の積極的な実施
- ・安全衛生教育を徹底し、「近道・省略行為」等のルール違反行為の禁止
- ・職場の危険箇所の「見える化」の推進
- ・建災防方式「新ヒヤリハット報告」を活用した安全衛生活動の促進
- ・不安全行動を防止するための災害事例教育の実施
- 9.安全衛生教育の実施
- ・「雇入れ時教育」「送り出し教育」「新規入場者教育」等の安全衛生教育の実施
- ・建設従業者に対する危険体感教育(安全帯ぶら下がり、はさまれ等)の実施
- ・危険有害業務従事者に対する特別教育(フルハーネス型安全帯使用作業等)や特別教育に準じた教育の確実な実施
- ・職長・安全衛生責任者、作業主任者、危険有害業務技能講習終了者等に対する能力向上教育の実施 ※危険有害業務(フォークリフト運転業務、有機溶剤業務、玉掛業務等)
- ・外国人労働者にも配慮した安全衛生教育の実施
- 10.職業性疾病の防止
- ・建築物等の解体・改修工事における石綿の使用有無について建築物石綿含有建材調査者による事前調査の実施及び石綿ばく露防止対策の確実な実施
- ・酸素欠乏症や一酸化炭素中毒等の防止対策の徹底
- ・腰痛及び振動障害の予防対策の徹底
- ・リスクアセスメント対象物を取り扱う作業での化学物質管理者の選任と、建災防が定めたマニュアルの積極的な活用、保護具着用管理責任者による有効な保護具の選択、使用状況管理等の徹底
- 11.熱中症の予防
- ・「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」の推進
- ・暑さ指数(WBGT値)の把握とその値に応じた熱中症予防策の実施
- ・熱中症の発症リスクの高い作業者の把握・作業場巡視等の実施、熱中症予防のための教育及び健康KYの実施
- ・作業者の作業前後及び作業中の体調確認の実施
- ・休憩場所及び休憩時間の確保並びに十分な水分・塩分などの積極的な摂取の勧奨、作業開始前や休憩時間中のプレクリーニング(業務前の適度な身体の冷却)の実施
- ・異常時の速やかな病院への搬送や救急隊要請の徹底
- 12.健康管理の推進
- ・法令で定める雇入れ時及び定期健康診断及び特殊健康診断の実施とその結果に基づく必要な措置の実施
- ・「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(厚生労働省)に基づく、職場における健康保持増進の実施
- ・「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン(エイジフレンドリーガイドライン)」に基づき、健康診断や体力チェックにより、高年齢労働者の健康状態や体力を把握し、状況に応じて適正配置に取り組む
- ・事業主による適正な労働時間の把握と、過重労働(時間外・休日労働等)による健康障害防止対策の推進
- ・地域産業保健事業、都道府県産業保健支援センター事業、メンタルヘルス対策支援事業の活用
- 13.現場におけるメンタルヘルス対策の推進
- ・安全施工サイクル(安全朝礼、KYミーティング及び巡視等)を活用した、建災防方式健康KYによる心身の健康状態の把握と、無記名ストレスチェックに基づいた職場環境改善の実施
- ・ストレスチェックの結果に基づく産業医等の面接指導及び事業者が講ずるべき適切な措置の実施
- ・建災防本部に設置されているメンタルヘルス対策相談窓口の活用
- ・産業保健総合支援センターにおけるメンタルヘルス対策に関する小規模事業場支援の活用
当社としましては、全国安全週間の本週間中に経営者をはじめ関係者が取り組むべき事項をまとめた「全国安全週間実施要領」及び「株式会社大林組 安全衛生対策要項2024」に基づき実施計画令和6年度A.BMミツガシ安全衛生対策要項を策定し、トップの強力なリーダーシップの下に、関係者が一体となって、労働災害の防止に万全を期する所存です。
各位におかれましては、本実施要項を参考に、各社の実情に即した実施計画を策定し、皆様で力を合わせて実施するように要請をお願いします。現場の安全を担うのは自分自身であることを自覚し、以前にも増して常に安全第一の精神を尊重しながら、日々の作業を遂行できるようお願い申し上げます。そして、ひとりひとりが安全を意識するだけではなく、作業員一同が心を一つに安全対策に取り組むことができるよう重ねてお願い申し上げます。
本年度も変わらず安全意識の高揚および効果的な安全衛生管理にご協力頂けますことに改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。
来年も、本年のように多くの協力会社及びメーカー各社の皆様をお招きして開催出来るように努力して参ります。
終わりに、今日という日が、日頃の慣れや気の緩みを正し、安全意識を啓発するきっかけとなる日であることを願っております。
それではまた来年、第18回労働災害防止安全大会でお会いするまで「ご安全に〜!」
令和6年6月29日
株式会社A.BMミツガシ
代表取締役 秋山 浩文